2018/5よりInstagramで更新しています→

中津川コラボレーション 2018 春

 
友人のお嫁入り先が、中津川市内で代々続く曲げ物屋さんでした。
中華蒸籠の材料を国産でという要望を伺い、蓋部分の網代を編ませていただきました。
毎冬、蒸籠の湯気が恋しくなるのですが、この冬は、この中華蒸籠を使うことが嬉しくて嬉しくて、毎日のように 使いました。蒸してそのまま熱々を食卓へ。
お使いの鍋のサイズに合わせて作っていただけます。
多治見の展示会に見本を持って行く予定です。

素朴なおひつも作ってらっしゃいます。







夢をひとつ 2015 春


むずかしい、むずかしいと思い続けて、それでもいつか糀を作りたいと思っていたら、
「教える」と竹細工職人。
これほど身近に先生がいるとはまったく気づきませんでしたが、
とにかく小さなひとつの夢が叶うことになった。
昨年がんばって育てた米を使った糀は、赤ちゃんを育てる以上に気を遣って、
あたためたり冷ましたりすること二日間、文字通り、美しい花をつけてくれた。
大半は味噌用に塩切り、残りで炊いた甘酒は、これまでで一番美味しかった、と思う。

子どものように、今これをしなくちゃ気がすまない!という威勢の良さは、大人も見習ってこそ、日々の動作ひとつひとつに喜びを感じることにつながるのかもしれません。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。








手放して、取り入れて 2014 秋冬

必要だと思っていたものが、だんだんとそうでもなくなることがある。
これってほんとうに必要かな?と実験的に手放してみたくなることがあります。
同時に、時間のかかることでも、どうでも魅力的で取り入れてしまうのもまた実験。
そんな積み重ねを今年もしてきたように思う。
ちょっと変わったはざ干し風景・・・







夏の思い出 2014 夏

ふと思い出したこと。
数年前の初夏、ある若い女性が電車とバスを乗り継いでここまで来てくださった。
目的は、あまり知られていませんが、オントルポオリジナルのカットソー 注)1 。
職場のオーガニックカフェで、まるでユニフォームのように着てくださっていたようで、「ヨレヨレになってしまって…」と洗い替えを求めてのことでした。
そして、おみやげにいただいた梅ジャムの美しい色と味にすっかり感動して、ジャムが苦手だった私も、思わず図々しくも作り方をおたずねしてしまいました。
以来、あの透明感のある黄金色を目指して、毎年梅を煮ます。
梅の時期を越え、陽射しが強くなってくると、彼女のきらきらした思いとまっすぐな行動を思い出し、いつまでもそうであってほしい、そうありたいと願うのです。
ところで、太陽はどこへ行ってしまったんだろうというほどの今夏でした。
再び照りつける陽射しを求める気持ちを切り替えるべく、落ち始めた栗を拾います。


…注)1 小柄な体型に合う肌着が欲しい一念で、当初から小さな工場にお願いして作っていただいているオーガニックコットンのカットソー。現在は、タンクトップやショーツ、七部袖、タートルネックがあります。( 現在在庫なし)







遊びは上昇する 2014 春

4月だというのに、桜がまだ咲いているというのに、今年の水遊びが始まってしまった。
どうやら、水を見ると服を脱ぎ捨てたくなるらしく、あっという間に裸ん坊。
火の焚きつけの真似事をしていると思ったら、翌日にはほんとうに泥のパンケーキが焼けていた。(もちろん、大人のいたずら心の介入あってのこと)
ままごとかほんとうか、大人も子どもも遊びか本気か、野草が食卓に上るこの時期は、ただただ楽しい。

泥のパンケーキの翌日は、ほんとうのパンを焼いてもらった。
タラノメ、ユキノシタ、アザミ、シイタケ、ウド







あたたかいもの 2014 冬から春


今季の雪には、自然にはかなわないことをつくづく教えられました。
同時に、あたたかいもののありがたさを感じずにはいられなかった。

石原真理さんの編んだ手袋は、これなくしては外で遊べないほど子どもの必需品だった。
雪や氷に濡らしては干し・・・と繰り返したのに、乾くとふっくら元通りになるのは、
毛糸の特徴を知り尽くした素材選びからのセンス。
今年は雨水の頃に、雪に閉ざされていたけれど、
おひなさまを出すと、春に向かう気持ちになる。
工房ふにさんの和紙人形のおひなさまは、子ども自身が飾ることを考えられた大きさ。
お道具も、豆粒ほどのお椀の蓋を開ける楽しみがあったりと、
子どもの気持ちに寄り添う作り。

いずれも、人柄が作品を作ると言っても言い過ぎでない、と思う。









冬の果実 2013冬


通っている自主保育の子どもたちは木の実を見つけると、まず口に入れる。
ガマズミは大人は鑑賞用と思っているし、鳥も食べない。
でも、子どもたちは美味しそうな顔をする。
霜に何度かあたった庭のガマズミは、触るとはじけてしまうほど熟れていたので、
子どもたちに倣って、絞ってシロップとジャムにしてみると、色も美しく、まるで冬の苺。
実りの秋が終わり、木々の葉も落ちてしまった頃、冬に生る果実。
「神ツ実」の名の由来もあるそうで、私たちを助けてくれる物事は
意外に驚くほど身近にひそんでいるのかもしれません。







背中を押してくれる手 2013秋

仕事柄、家族全員が毎日家に居るので、季節と天気に合わせ、その日の仕事(遊び?)を決めることが多い。
本業そっちのけで、毎日落ちる栗を朝からみんなで黙々と処理することもあるし、何かしら手を動かすことが多いのは、気が散漫していた夏が過ぎ去り、実りの恵みを落ち着いて受け取ることができる季節がやって来たからでしょうか。

先だっての台風で倒れたヌルデの木に付いていた虫こぶを採集し、五倍子染めを試してみました。 砕いて、煮出して、洗う。
  
出来上がりは紫がかった墨色。



それにしても、腰の重い私を軽やかにしてくれるのは子どもの遊び心。
特に美味しいものに関しては・・・
山栗のおはぎは皆の努力のたまもの。
作り方は、友人のおやつの本→ を参考に。







秋から冬へ 2012秋



11月も終わる頃にようやく稲刈りが終わりました。
途中、電柵をかいくぐって、うりぼうの侵入があり、慌ててししおどしも作り・・・ ししおどしだけでも、獣害は防ぐことができるという話もあり、電柵などという危ないものを使わず、何とか動物たちと共生できると良いなと思います。


稲刈りが終わると何だかほっとして、
ストーブの上でのんびり鉄火味噌を炒る作業も嬉しい冬の仕事。
みんなが寒い冬を元気に過ごせるように。








毛糸のできるまで 2012夏

  

春に刈り取られた羊一頭分の毛がやって来た。
梅雨明けを待って、熱いお湯であらゆる汚れを落とし、ひたすらほぐして、カードにかける。
この地方でも、一昔前までは各家庭で羊を飼い、こうして冬の家族の身体を守る物作りをしていたそうです。
分けていただいた古い毛糸は、栗や里芋の茎、すべて周囲にあるもので、美しく染め上げてありました。
さて、私も毛糸のできるまで、長い道のりを進まなくては。





駆け抜けるように 2012夏





ほうばずしは、農繁期の昔の知恵。棕櫚の蝿たたきは楽しい夏の道具。洗った梅を干し、籠目パンを焼く。木苺の棘に引っかかれないように。







子どもの冬を支えたものは 2011冬

この冬はとても寒くて、朝起きると、家の中のあちこちが凍ったものでした。
おかげさまで、寒さに鍛えられたか、とりわけ子どもは平気で、
薄着のまま外に飛び出していきます。
オーガニックコットンのタイツは、赤ちゃん時代には縫い上げて長さを調節しつつ、
今日まで、買い足しながら、ずっと穿いています。
最近は同素材の長袖を着て、黒子ならぬ白子のようになれば、あとは上におさがりでも、毛糸のチョッキやズボンでも。
着ぶくれさせたいところですが、「あれを着せているから、まあいいか」と、体を動かしやすい方を優先してしまいます。
陸の孤島ともいえる場所で暮らしている一家のおすすめは、独断にもなりかねませんが、
白子になれるタイツと肌着、置いています。







竹椀 2010秋

仕事柄、竹の端材がそこいらじゅうに転がっています。
どんぐりを入れたり、砂遊びに使ったり。
器として見てみると原始的な形・・・
ごはんをよそってあげると、ままごとの延長気分が楽しいのか、そのまま使い続けています。
まだ片手で器を持てない頃には、底が平らで転がらない形は、安心感もあるのでしょうか。
大人と一緒に食卓を囲むことが楽しくなってきたら、短い箸も一緒に渡してあげると、
嬉しくなってしまうかもしれません。